こちらの英語記事(2021年2月19日)の要約です。

先日の投稿で紹介した記事に言及があり、気になったので取り上げてみました。


バリックゴールドはフリーポート買収を断念
Barrick Gold(ティッカーシンボル:GOLD)はFreeport McMoRan(ティッカーシンボル:FCX)との合併や鉱山権益獲得を以前から検討していましたが、断念したようです。
BarrickがFreeportとの合併を検討していた理由は、銅事業へより注力するためです。
ご存知のようにEV化などで、銅需要は中長期的に増大が見込まれ、Barrick社は銅を戦略コモディティに据えているようです。
Barrick社は以前からFreeport社と交渉を重ねていたようですが、次の2つの理由から断念したと記事にはあります。
1つ目は直近の銅価格上昇です。
これを受けてFreeport社の株価も急騰しています。
合併も鉱山権益買取にかかる投資費用も、銅価格が上昇すると当然増加が見込まれます。
2つ目は、Freeport社が否定的になったということです。
10月にFreeport社のRichard Adkerson CEOが合併を否定し、「今後はインドネシアのGrasberg鉱山の再開に注力したい」と述べていました。
※Grasberg鉱山はインドネシア政府と揉めて開発中断していましたが、再開の目途が立っています。
直近のFreeport社の株価上昇は、銅価格上昇の影響もありますが、株式市場もFreeport社の姿勢を評価しているのでは、と記事にはあります。
将来的にバリックゴールドは銅事業に参画するのか?
依然として、銅はBarrick社にとって戦略コモディティには変わらないとのことで、いいネタがあれば参画する姿勢は変わらないようです。
一方で、Barrick社は現在の金価格は価格サイクルの頂点付近に位置していると見ており、多額の投資はリスクが大きいため慎重に検討する必要があるとも言っています。
今回のニュース記事の感想
金業界1位のBarrickが銅にも参入しようとしていたとは知りませんでした。
今回のFreeportのM&Aは実施されませんでしたが、銅鉱山への参入は引き続き検討するということなので、まだまだ可能性ありそうです。
銅では後発ですが、Barrickの強みである資本力を活かして、大規模プロジェクトをFreeportなど銅会社と組んで参入というのはありそうです。
Barrickが銅製錬所を持っているかわからないのですが、持っていないのであれば中国勢と組んで参入という可能性もありそうです。
大規模案件は供給量見通しに与える影響も少なくないですし、銅価格の今後を見通すという視点でも、今後のBarrickの動きに目が離せません。
今回のニュース記事で学んだ英単語・英語表現
run-up: 助走、準備期間、急増
Barrick Gold says the window has closed on a potential deal with Freeport-McMoRan, given the run-up in copper prices.
push ahead with: どんどん進める
The Phoenix-based company pushed ahead with retooling its massive copper-and-gold flagship mine in Indonesia.
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